博物館との連携事業「漆のワークショップ」その2
本事業は、会津若松市で開催される「あいづまちなかアートプロジェクト」との関連事業として行われました。講師に、上越教育大学准教授 伊藤将和様、NPO法人はるなか副理事長・漆部会長、塗師 吉田 徹様、NPO法人はるなか理事・漆部会員、塗師 小松愛実様、NPO法人はるなか漆部会員、蒔絵師 照井克弘様、漆工よしだ、塗師 矢吹安里紗様、会津若松市教育委員会文化課 橋本 崚様、福島県立博物館 川延安直様、西尾祥子様、小林めぐみ様をゲストティーチャーとしてお迎えし、「漆カフェテーブル制作」のワークショップを行いました。
「カフェテーブル」ワークショップは、これまでの博物館連携事業において生徒が学んできた「会津型」の技法に加えて、会津伝統工芸の一つである「漆塗り」を組み合わせたカフェテーブルの制作に木工班の生徒が取り組みます。このカフェテーブルは、TSUTAYA BOOKSTORE AIZU様(門田町黒岩大坪21)の御協力をいただきながら、店舗内の3つのテーブルの天板に会津支援学校高等部木工班の生徒が「会津型&漆塗り」を計3回のカリキュラムで施工する計画です。
第1回では、かつて喜多方から東北一円に売られていた「会津型」についての歴史や喜多方市の染型紙が「福島県指定重要有形民俗文化財」であることなど説明をいただきました。
型彫りでは洗練された多様なデザインを各々が選び、デザインカッターで渋紙に刻んでいく工程を集中して行いました。天板は直径1m程あり3枚すべてにそれぞれの会津型の紋様を施すため、型抜きのかかる時間は長時間に及びました。指導者側が驚くほど全員が集中して取り組む姿が印象的でした。
第2回では、木地師の方に制作していただいたカフェテーブルに拭漆を施しました。本物の会津漆で皮膚がかぶれないように腕や頭髪を覆うなど対策しながら皿の木地に漆を塗りました。
NPO法人はるなかの職人の方々の手本を見て、アドバイスをいただきながら塗り上げることができました。天板の面積が大きく時間がかかりましたが、最後まで丁寧に塗り漆と拭き漆の工程を無事に終えることができました。
第3回では、いよいよ仕上げの工程となりました。第2回の工程で塗り上げた天板が、しっかり乾燥された状態をみて、歓声が上がる場面がありました。本物の漆塗りの素晴らしさに生徒一人ひとりが感動していました。そこから会津型の紋様を加飾しました。大きな天板に色鮮やかな会津型の紋様が華やかに彩られて素晴らしい天板となりました。
このカフェテーブルは、10月4日(金)~10月14日(月)の期間、会津若松市文化センターで開催される「あいづまちなかアートプロジェクト」にて一時的に展示される予定です。
さらに、開催期間終了後については、TSUTAYA BOOKSTORE AIZU様にて実際に3つのテーブルが使用されることとなります。ぜひ、足を運んでいただき生徒たちが施工したテーブルに触れながら、伝統工芸漆の質感の素晴らしさを感じていただければと思います。