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モーションキャプチャーで「もこぴ」(アバター)とあそぼう!


公益法人福島県学術教育振興財団令和5年度助成事業


会津支援学校は、公益法人福島県学術教育振興財団(以下、「財団」)の助成をいただき、「ICTを活用した体験及び課題解決学習を通して、児童生徒の「できる」を引き出し、「地域」「社会」とつながり、経験や視野を広げる研究(2年次)」に取り組んでいます。

※令和4年度(1年次)の取組はこちらを御覧ください。

令和4年度は拡張現実(AR)を活用した研究に取り組みましたが、2年次となる令和5年度は仮想現実(VR)の技術を活用して「学びの変革」と子どもたちの豊かな「学びの充実」に挑戦しています。

本校は学校経営・運営ビジョンに「地域との連携・協働」を掲げています。本事業にあたっては、会津若松市内の企業である株式会社Eyes,JAPANと連携・協働しながら進めています。

私たちの目指すもの

①仮想現実(VR)アプリ等を活用した体験・課題解決学習の充実

②企業と連携・協働した仮想現実(VR)アプリ等の開発

モーションキャプチャーを使って

その研究の一つとして、モーションキャプチャーを活用した学習プログラムに取り組みました。
本校には、障がいの特性から自己のボディイメージを正しく把握したり、自分の意図したとおりに滑らかに身体を動かすことが難しい子どもたちが少なくありません。
そこで、身体の動きについて、モデルを視覚的に提示することで
 ・腕を動かす方向や曲げ伸ばしの角度
 ・足の曲げ伸ばしの姿勢
 ・体を動かすスピードやリズム感
 ・体軸の保持
などの身体の動きを、目で見て確認しながら模倣できないかと考えました。

モーションキャプチャーの技術を使ってアバターを動かします

オリジナルバーチャルキャラクター「もこぴ(mocopi)」(アバター)誕生

そこで、子どもたちと一緒に身体を動かしてくれるモデルとなるバーチャルキャラクター(アバター)をつくることにしました。
そして誕生したのが「もこぴ(mocopi)」です!

ダンスや運動が大好きな「もこぴ(mocopi)」

本校の先輩キャラクター「パワー君」とも大の仲良し。コスチュームもこのとおりリンクコーデしています。

デビューは「おやこまつり」

明るく元気な「もこぴ」にぴったりなデビューステージは、7月26日の「おやこまつり」に設定することにしました。
準備したステージは次のとおり2種類です。

①こんにちは、「もこぴ」(「もこぴ」をみてみよう)
 子どもたちが画面(スクリーン)に映ったアバターの「もこぴ」とあいさ   
 つしたり触れあったりします。
 仕組みは下記のとおりです。

①こんにちは、「もこぴ」の仕組み(その1)
①こんにちは、「もこぴ」の仕組み(その2)
「もこぴ」が音楽に合わせてダンスをしています。私もまねしてリズムをとってみました。
みてみて!スクリーンの中の「もこぴ」と僕です。はじめまして、仲良くしてね。

この場合、教師がセンサー装着者となり、子どもたちからは見えないところでアバターを動かします。「もこぴ」の声を担当する教師は、画面で子どもたちの様子を見ながら、あいさつしたり名前を呼んだりします。

(左)声を担当、(右)頭、両手首、腰、両足首にセンサー装着。子どもたちの視界からはついたてを使って見えないようにしています。

子どもたちは実際にはいないのにスクリーンに確かに映っている「もこぴ」を不思議そうにみつめたり、「どうして僕の名前知ってるの?」「もこぴは何年生?」と呼びかけたりしていました。

「もこぴ」と握手しました
はい、両手を上げて大きくひらいて!「もこぴ」の動きをまねしています。


②「もこび」になってダンスしよう(モーションキャプチャーを体験しよう)
子どもたち自身がセンサーを装着して、「もこぴ」になってダンスをします。

②「もこび」になってダンスしようの仕組み

まずはじめに、子どもたち自身が踊りたい曲を選びます。

お気に入りはどれかな?

センサーを装着した子どもたちがダンスをすると、自分のアバターとなった「もこぴ」がスクリーンのなかで同じようにダンスをします。スクリーンにはお気に入りの背景(例えばミュージック&ダンスグループの映像)を重ねることもできるため、まるで「もこぴ」(自分のアバター)がグループのメンバーの一員になったようにダンスします。

U.S.A.をかっこよくダンスしています。
盆踊り。お囃子、手拍子、たのしいな。
大好きなパフリカを、メンバーの一員になったつもりで。

自分が「もこぴ」になって自在に動かし、スクリーンの中でダンスをすることを満喫した子どもたち。いつもより大きく身体を動かしたり、リズムをとったりして、心地よい汗を流していました。

自分のボディイメージをつかむことが難しい子どもたちですが、「もこぴ」を視覚的に捉え模倣することで、効果的に身体を動かすことができました。
モーションキャプチャーを使うことで
・自立活動
・保健体育
・防災教育や安全教育

・学校行事など
幅広く授業で活用
することができそうです。
また、本校は全国や本県平均に比べて肥満の児童生徒の割合が高く
大きな課題となっていました。
毎朝のスポーツタイムで意識的に身体を動かすよう取り組んだり、家庭で過ごす夏休み中も身体を動かす機会を増やそうと、HPに動画(パワー体操)を掲載したりしてきました。

しかし、子どもたちの主体的な活動意欲にまで至っていないのが現状でした。
けれど「もこぴ」と一緒なら、子どもたちは楽しく主体的に身体を動かしたりダンスをすることができそうです。

今後の取組

財団の助成事業「ICTを活用した体験及び課題解決学習を通して、児童生徒の「できる」を引き出し、「地域」「社会」とつながり、経験や視野を広げる研究(2年次)」に取り組み、このような手応えのある実践を行うことができました。

子どもたちの「できる」ことや得意なことを引き出すこと、経験や視野を広げること、自己肯定感を高めること、主体的に学びに向かう姿勢など、その効果は計り知れません。
また、今回のように「おやこまつり」で実施したことで、本校の取組を広く保護者に理解していただくことができました。
株式会社Eyes,JAPANの皆さんには、ICTに関する全面的なサポートをしていただきました。

今後は、下記のような取組を行う予定です。

詳しくは会津支援学校のHPをご覧ください。


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